睡眠障害の重要な内容
約束手形は,借用証書や契約書と異なり,証券に財産的価値のある私権(手形金債権)が表章されていて,その支払が確実になされるように工夫されているので,譲渡に適した性質を持っている。
言い換えれば,約束手形は転々流通する性質を持っている。
そこで,受取人Bは,これを満期まで所有していてAに手形を呈示して(支払呈示),手形に記載された金額の支払を請求できるほか,満期前において手形を他人(C)に譲渡することもできる。
この譲渡のことを通常は「裏書」といい,Bを裏書人,Cを被裏書人という。
CもBと同様に,手形の支払呈示または他人への譲渡のいずれかを選択できる。
またBは,裏書をしたことで,C以後の手形所持人に対して約束手形の支払を担保する責任を負うものとされている(手77条1項1号=15条1項)。
したがって,Cが満期にAに対して手形を呈示して支払を請求したにもかかわらず,Aが支払を拒絶した場合,CはAに対して強制執行をなして手形金の回収を図ることもできるが,これとは別にCはBに対しても手形金の請求をすることができる。
これを「遡求」という。
CはAの支払拒絶によってBに対し遡求権をもつことになる。
為替手形は,その発行者Aが第三者Dに宛てて,手形上に記載した一定金額をBに支払うことを委託した文書(支払委託証券)である。
Aを振出人,Dを支払人,Bを受取人という。
受取人Bは,振出人Aに対してではなく,支払人Dに対して満期に支払呈示をする。
約束手形が支払約束の形式をとり,振出人と受取人の二者が基本的な手形当事者となるのに対して,為替手形は支払委託の形式をとり,振出人,受取人,そして支払人の三者が基本的な手形当事者となる点で異なる。
為替手形の受取人Bは,約束手形の受取人と同様に,満期において支払呈示をするか,あるいはこれを他人(C)に譲渡(裏書)できる。
また,支払の拒絶があれば,譲渡人(裏書人)あるいは振出人に対し(手9条1項,43条参照)遡求することもできる。
振出人Aから支払の委託を受けたりは,それだけで当然に,受取人Bなどに支払義務を負うわけではなく,支払人Dは自ら引受という行為をしてはじめて,Bなどに支払義務を負う。
手形を受け取ったBないしCは,満期の前日までにDに対してその手形を引き受ける意思があるかどうかを確認するために為替手形を呈示することができる。
これを「引受呈示」という。
支払人Dは,引受呈示に応じて支払う意思を表明することもあれば(これを「引受」という),支払う意思がないことを表明する場合もある(これを「引受拒絶」という)。
引受拒絶の場合には,満期前であるにもかかわらず,手形の所持人Cは裏書人Bあるいは振出人Aに遡求でき,為替手形を受け戻したBはさらにAに再遡求することができる。
小切手は,その発行者Aが第三者Dに宛てて,一定金額(小切手金額)をBに支払うことを委託した文書(支払委託証券)である。
Aを振出人,Dを支払人,Bを受取人という。
受取人Bはこれを裏書または交付により譲渡でき,所持人Cはこれを支払人Dに支払呈示して小切手金の支払を受けることができる。
もし支払が拒絶された場合は,裏書人Bや振出人Aなどに遡求できる。
これらの関係は,為替手形に類似している。
しかし,両者は経済的機能の面で違いがある。
為替手形は,支払を繰り延べることを主な目的として利用される(信用証券)のに対して,小切手は支払の手段として利用される証券(支払証券)である。
すなわち,小切手は現金の代用物であり,小切手の利用者があらかじめ銀行などに資金を預けておいて,支払の必要があるときに小切手を交付し,受取人に銀行で支払を受けてもらうものである。
手形・小切手が経済社会で果たす役割は多様である。
そのうち,典型的なものとして,信用の手段,支払の手段,そして送金。
取立の手段としての機能がある。
(a)手形割引企業間取引では,代金の支払を繰り延べる信用取引が主流である。
商品の売主は,買主に対して売掛代金債権を有するに過ぎないので,現金を入手するには履行期まで待たなければならない。
しかし,売主が,その履行期前に資金を必要とすることがある。
そこで,売主は買主から,代金額を手形金額としてその弁済期日を満期とする約束手形(または引受済みの為替手形)の交付を受け,それを金融機関に譲渡して代金を入手することができる。
このように,商取引の代金支払に関して振り出された手形を商業手形という。
商業手形は,商品の買主(振出人)が商品を転売してその代金を手形金の支払にあてることができるので,支払の確実性が高くその手形の信用度も高い。
商取引に基づいて売主が取得した手形(受取手形)を金融機関に裏書譲渡して,手形金額から満期までの利息その他の費用(割引料)を差し引いた金額(割引代金)を取得する取引を手形割引という。
売主は,商品を信用取引によって買主に供給する一方で,受取手形を金融機関に譲渡して満期前に割引代金を入手し,買主から直接支払を受けたのと同様の効果を収めることができる。
(b)手形貸付銀行が取引先に金銭を貸し付ける際に,その証拠と返済を確保するために,借用証書を差し入れさせる代わりに,あるいは借用証書とともに貸付額を記入した約束手形を振り出させる場合がある。
これを手形貸付という。
手形は支払の確実性が高く,また譲渡などが容易にできるので,債務の履行を確保するのに多く利用される。(c)融通手形具体的な商取引に基づかないで,単なる資金融通のために振り出された手形を融通手形という。
たとえば,資金難で困っているBの依頼を受け,Bのために,AがBに約束手形を振り出し交付し,Bはその手形を第三者に譲渡して対価を得てそれを使うものである。
この場合には,振出人Aの信用が利用されたことになる。
しかし,融通手形は不渡りになる確率が高く,一般に信用度は低く,不健全な手形であって弊害が多い。
繰り返し継続して大量の商取引を行う者にとって,現金での支払は煩雑であり危険を伴う。
このような危険等を回避するために,銀行にあらかじめ預金をしておき,必要のつど銀行にその預金から支払ってもらうのが便利であり安全である。
小切手は,このような目的のために利用することができる。
すなわち,自己の預金(当座預金)のある銀行との間で,自分が振り出す小切手について銀行がその預金から支払をする旨の契約(小切手契約)を締結しておいて,必要のつど小切手を振り出し,これを相手方に交付して,銀行で支払を受けてもらう。
この方法によって,振出人は金銭支払の目的を達成することができる。
したがって,小切手は支払の用具といわれる。
なお,手形にも支払の手段としての機能がある。
売買代金の支払において,売主が遠隔地に住んでいる場合に,現金の輸送に伴う危険や不便を避けるため,手形(とくに為替手形)は送金や取立の手段として古くから利用されてきている。
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